世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

PWG Mystery Vortex 7 Review バンディード対ブラック・タウルス他 ~暴虐龍とアンチ・ヒーロー~

PWG Mystery Vortex 7 8/1/2021

youtu.be

 

トニー・デッペン対ジャック・カートウィール
 新鋭ハイフライヤー、カートウィールを上手く操縦して、大事な復活大会のオープニングを確実に盛り上げるデッペンの安定感が光る内容。カートウィールもデッペンの下支えがあれば、如何なく持ち前の身体能力を発揮出来る。カートウィールが美しいハイフライングを連発した後、お役御免とばかりに迎撃式膝蹴り一閃。流石トニー・デッペンというべき一戦でした。中々良い試合。
評価:***1/2

 

JDドレイク対ブロディ・キング
 ビッグマン同士のハードヒッティング。シンプルな猛打の数々が観る者を魅了する。JDの真の実力が、ブロディの飛べて動いてな部分を抑え、刺青獣の獣の部分を上手く引き出した試合となっている。それだけでまとめるのは難しいので、終盤で動ける部分も出しながら、上手く纏めてフィニッシュ。シンプルながら、この2人に、特にブロディ・キングに期待するものが如何なく発揮された特別な試合でした。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

ジョナサン・グレシャム対リー・モリアーティ
 この2人なので当然テクニカルコンテストに。腕攻めを得意とするモリアーティが、グレシャムに腕を徹底的に攻められ、苦戦する試合展開。
 腕攻めが得意なだけに攻められた時の対応も解っているというべきか、モリアーティも適切な表現の仕方で、グレシャムの腕攻めに対応。グレシャムも腕攻めに特化しすぎず、小技を挟みながら構築。終盤は腕の痛みを表現しながら、モリアーティが伸びやかな動きで、グレシャムは力強い動きで凌ぎ合う。腕攻めをチラつかせながら丸め込み合戦等スリル溢れる攻防を展開。

 腕攻めを軸として置いている割には、関節技による追い込みが多くなく、その他の要素で盛り上げる方が多かったものの、グレシャムがキャリア差を示しつつ、重厚感たっぷりにモリアーティをリードしていた試合でした。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

リル・ラスカルズ(トレイ・ミゲル&マイロン・リード)対アラミス&レイ・ホラス

 

PWG世界王座戦
バンディード(c)対ブラック・タウルス
 PWG、ROH、The Crashの三冠王者バンディード対AAA/インパクトからの刺客タウルス。体格差はあるが互いに飛ぶ選手なので、ハイフライの応酬から試合に入り、タウルスが豪快な投げ技でドミネイトし、バンディードはダウンモード。ルチャドールにしては上手くアメプロ的な試合作りが出来るのがバンディードだが、マスクで表情が見えないので、限界を感じる。マスク引き裂き流血がある訳でも映える選手でもないので、タウルスが様々な引き出しを駆使して調整していたのが印象的。

 終盤は大技連発で動き回り飛び回る内容にシフトしているので、見応え十分でバンディードの良さも出てきたが、本人達が作り出したいドラマ性の高いメインイベントには到達出来ていなかった。スピードと独創性で突っ走る訳でも、補佐出来るストーリーメイクがある訳でもないので、良い内容ではあるものの、淡白さも感じてしまう戦いでした。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

 試合後、フラミータが現れ、バンディードを急襲。タウルスを加わると場内暗転し、そこに現れたのはスーパー・ドラゴン。フラミータとタウルスと握手を交わし、軍団結成か。バンディードの助太刀に現れたのはブロディ・キング。キングは返り討ちにされたものの、そこに更に場内暗転し、灯りがつくとそこに居たのはマラカイ・ブラック。AEWとは違い、ベビーフェイスでのサプライズ登場となりました。

 

全体評価:8+