世界のプロレス探検隊

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Impact Wrestling Bound For Glory 2021 Review クリスチャン・ケイジ対ジョシュ・アレキサンダー/元アイコニックスデビュー

Impact Wrestling Bound For Glory 2021 10/23/2021

 

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Impact Wrestling ノックアウツタッグ王座戦
ディケイ(c)(ハヴォック&ローズマリー)対インスピレーション(ジェシカ・マッケイ&キャシー・リー)

 アイコニックス改めインスピレーションがインパクト登場。歌付きの入場で特別待遇を感じさせる。対するディケイはハロウィンバージョンのコスチューム。特にローズマリーのコスチュームはシンプルに可愛かった。
 試合は、インスピレーションのインサイドワーク対ディケイのパワフルな攻撃がメインの内容。ブランクは感じさせない出来だったインスピレーション。長い試合になると、やはりビリー・ケイ改めジェシカ・マッケイの上手さが際立つ。アクロバティックな動きが出来るのはペイトン・ロイス改めキャシー・リーなので、こっちをプッシュしたWWE上層部の気持ちもわからなくはないが。
 インスピレーションが初登場初戴冠を果たし幕。平均レベル。
評価:***

 

Xディビジョン王座新王者決定戦
トレイ・ミゲル対スティーヴ・マクリン対エル・ファンタズモ

 ジョシュ・アレキサンダーがオプションCを行使し、空位となったXディビジョン王座の王者決定戦。アクロバティックなトレイとファンタズモにパワフルなマクリン。ファンタズモとマクリンが徒党を組まなかったことにより、ファンタズモの変幻ヒールワークが活きる形となり、トレイはこの試合の主役として軽快な動きだけではない、力強さ華やかさで魅了。パワフルなマクリンもいつも以上に相当気合が入っており、場外ダイブや串刺しスピアーの展開では、キャラクターを超えた動きを見せて、何とか爪痕を残すぞと必死さが熱を生み出しており、ファンタズモは間を作ったり、得意の大技で勢いを更に付けたりと米版スーパーJカップ覇者の実力を示す。

 3ウェイらしい目まぐるしく独創的な攻防の連発。交わらなさそうな3人が上手く交わる面白さがXディビジョンの面白さでもある。最後はシングルレスラーとして進化を続けるトレイが締めて王座戴冠。

 ラスカルズの2人ともにWWEに行かなかったことが大正解だったことを証明した活躍でした。スパイダーバースのマイルズを意識したコスチュームに代表される様に、アーティスティックな面も持ち合わせており、今の彼はBOSJに呼べるレベル。ジョシュと共に看板になれるでしょう。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

Impact Wrestling ノックアウツ王座戦
ディオナ・パラッツォ(c)対ミッキー・ジェームス

 ニアフォール多めの一進一退に、レフェリー失神や必殺技を打ち合う展開で特別感を煽るも、これもディオナならもう少し色々出来たはず。得意の腕攻めを使わず、サブミッションを封印していたのが要因でしょう。

 結果的に世代を超えたスーパーファイトの難しさが表れた一戦でした。良い試合ではあるけれども、AEWのブリット・ベイカーと共に時代を作っている急先鋒ディオナの試合としては少し弱い。平均的良試合。
評価:***1/4

 

Impact Wrestling世界王座戦
クリスチャン・ケイジ(c)対ジョシュ・アレキサンダー

 新旧カナダ人スター対決。立ち位置は両者ベビーフェイスの為、ニュートラルな形で競い合う展開。得意技の攻防にプラスワンを付け足し、攻撃力に勝るジョシュが押していき、クリスチャンは受けで試合を作る得意な流れ。ケニーの様にスターでなりきった上で、火力が強すぎる。AEW自体がROHや新日本プロレステイストの強いプロレスをする団体なので、そこではクリスチャンのプロレスは、物足りなさが出てしまうが、インパクト位の半分メジャー半分インディのサイズであれば、受けベースで試合を作るクリスチャンの良さは老獪であると受け止められるので、やっぱりクリスチャンはインパクトの方が合っていると感じる試合。

 当然名勝負製造機ジョシュが、クリスチャンに合わせる試合運びも出来るからこそクリスチャンの良さが光っているのもある。ハードさは減るので、試合のクオリティが抑えられる面もあるが、印象には残るエモーショナルさがあり、ジョシュのクリスチャンに対するリスペクトが非常に伝わる内容である。
 ピンポイントで返すクリスチャンと、的確に攻め続けるジョシュ。ハードに行く所をジョシュがアンクル・ロック等サブミッションを多くする事で、クリスチャンに負荷がかかり過ぎずに熱戦を作り出したのは見事。最後があっさりだったので、もう一伸び欲しかったのは否めないが、ある意味AEW/インパクトのクロスオーバーで1番意義があった試合でしょう。中々良い試合。
評価:***1/2

 

Impact Wrestling世界王座戦
ジョシュ・アレキサンダー(c)対ムース

youtu.be 王座を奪取し、奥さんのジェイド・チャン(ROHではエンバシーのマネージャー、PWGではマネージャーやレスラー業も行っていた)と息子と抱き合うジョシュに、Call Your Shotガントレット戦を勝ち抜き、いつでもどこでも王座挑戦権を勝ち取ったムースがその権利を行使し、スピアー一閃し、ジョシュから王座を強奪し幕。

 最悪のバッドエンドだが、AEWとのクロスオーバーが終わりを迎える中、ヒールの方がストーリーを作りやすい。モリッシーは契約がいつ切れてもおかしくない状態、すぐヒールターンが出来るサミは負傷欠場中。となればエース・オースチンかムース位しかおらず、ムースも団体の中では功労者で、かなり長く在籍しているので、一旦任せようという判断だったのでしょう。意図はわかる決断でした。

全体評価:7.5

 

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