世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

Limitless Wrestling Review 2021 エース・ロメロ対エディ・エドワーズ/アシュリー・ヴォックス対レイラ・ハーシュ他

Limitless Wrestling Undeniable 7/31/2021

iwtv.live


JTダン対リー・モリアーティ

 久しぶりに見たJTダン。髪を切って心機一転。若手としてのし上がる立場から、若手に立ちはだかる立場となったが、上手くモリアーティの得意なグラウンドに対応しつつ、要所では打撃で応戦。モリアーティを立てながらも、自らの持ち味も出しており、伊達にPWGに上がっていないなと思える働きを示す。

 最後は、クリス・ヒーローの必殺技サイクロン・キルを狙ったモリアーティにカウンターのエルボー一閃。また見たいカード。平均的良試合。
評価:***1/4

 

エース・ロメロ対エディ・エドワーズ

 インパクト・レスリングの象徴エドワーズと、思う様には活躍出来ず、インパクト・レスリングにリリースを申し出たロメロの一戦。

 TVプロレスでは使い所が余りなかったロメロだが、スーパーヘビーとしてはパワフルでありながら動けて器用。才能がある選手。それを世界一安定感があるプロレスラー、エドワーズが、ロメロの潜在能力をこれでもかと引き出す試合。オーソドックスな攻防でベースを作り、ロメロの重爆攻撃と久しぶりに見たエドワーズのハードヒットで大爆発。

 すっかりハードコア・アイコンとなったエドワーズが、本来持つ元ROH王者、元GHC王者のストロングな面が存分に発揮され、ロメロがインパクト・レスリングと契約出来る程の選手である事も同時に示した特別な一戦。予想を遥かに超えた大熱戦でした。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

Limitless Wrestling世界王座戦
ダニエル・ガルシア(c)(w/ケビン・ブラックウッド)対アンソニー・グリーン

 ガルシアの対戦相手となったのは、WWEをリリースされた元王者アンソニー・グリーン。元エースの帰還に沸く会場。それを活かしきれれば最高のカムバックとなるはずだったが、ガルシアの売り出しているシュートスタイルとは相性が悪い。

 序盤からある程度飛ばしていれば、勢いを持ち込めたけれども、落ち着かせてグラウンドから入るスタート、グリーンがシュートスタイルの選手ではない点を含め、判断を誤った印象。ガルシアもヒールとして認知されていて、わざわざセコンドのブラックウッドを退場させる演出を取ったのだから、それを活かして欲しかった。

 試合展開は、オーソドックスなフェイスヒールとシュートスタイルが混ざった様な形だが、想像していたよりも混ざりきらずに終盤へ。終盤ではニアフォールの攻防である程度は盛り上げたものの、レフェリー失神からのDQフィニッシュ。好勝負製造機状態だったガルシアの試合としては正直ハズレだが、こういうシチュエーションを経験するのは、今後にとっては必要なことである。平均的良試合。
評価:***1/4

全体評価:7+

 

Limitless Wrestling Leave No Doubt 8/6/2021

iwtv.live


アシュリー・ヴォックス対レイラ・ハーシュ

 プライベートではパートナー同士の一戦は、遊びなしの真剣勝負。厳しい打撃もぶつけ合い、互いのレスラーのスキルを示し合う次元を超えたハードな激突となる。体格からAEWではアンダードッグになる事が多いレイラも、体格が似ていて、レイラの事をよく理解しているヴォックスだけに、得意のハイフライングとサブミッションを武器に、かなり攻勢に出るシーンが多く新鮮。

 ヴォックスが、レイラの攻撃を上手く引き出しながらも、反撃では厳しくやり返す強さも見せる。レイラ以上に、ヴォックスの試合構築、レスラーとしてのスキルの高さを強く印象付けた内容となりました。

 カーブストンプまで飛び出す熾烈な激闘も、試合後はノーサイド。恋人らしい微笑ましい一幕も、現代ならでは。メジャーに呼ばれるも契約は叶わずインディで活躍するヴォックスは、正直実力に見合ったスポットは与えられてないので、どこかで重宝されて欲しい選手です。中々良い試合。
評価:***1/2

 

Limitless Wrestling Vacationland Cup 2021 8/28/2021

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Limitless Wrestling世界王座戦
ダニエル・ガルシア(c)対JDドレイク
 共にAEWにレギュラー参戦している選手同士の一戦。5月大会で対戦していて、その時は好勝負の末にガルシアが防衛したが、今回JDは背水の陣で挑む。ブラフの脚負傷からの猛攻でドミネイトをするJD、跳ね返しアバラ攻めでコントロールをするガルシア。 

 終盤の熱量の高い攻防、激しい打撃戦が示す様に普通にやれば好勝負位は確実に行くだけの実力と相性の良さはあるけれども、どこか捻りたい、ドラマ性を強めて違いを見せたいという思いがあったのだろうか、自ら難しいシチュエーションに落とし込んで、本来の良さを消してしまう。今回はそれが余りにも顕著。

 終盤の熱戦模様と中盤迄の試合作りの整合性が取れていなかったので、上手く微調整する力を養う必要はあるでしょう。只、トップインディでは中々ここまでは出来ないはずなので、グリーン戦に続き、ヘッドライナーになったからこその挑戦ではあるだろう。総合して中々良い試合レベル。
評価:***1/2