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PROGRESS Wrestling Review 2021 "ノア&W-1ファン必見" ディーン・オールマーク対クリス・リッジウェイ他

PROGRESS Wrestling

Chapter 112: The Flowers Are Still Standing 6/5/2021

ディーン・オールマーク対クリス・リッジウェイ

] トニー・ストームの新必殺技ストーム・ワンは、オールマークのルビー・カッターを引き継いだものである。そのルビー・カッターをトニーの元カレリッジウェイに見舞う展開はあり、リッジウェイは中嶋勝彦式コーナー踏みつけや腹へのエルボーと1人ノアをしているかと思いきや、オールマークもかつての対戦相手である吉岡世起のクラッシュ・ドライバーを使うという展開。ノア&WRESTLE-1ファンは涙無しには見られない。 

 その様な攻防はあるが、しかしそれがこの試合の肝にならなかったのが驚くべき所。リッジウェイのシュートスタイルに、乗れるだけではなく、プラスワンを提示出来るオールマークの上手さが如何なく発揮された大激戦。シャープ過ぎるきらいのあるリッジウェイの試合運びに対し、時にグラウンドの攻防に付き合い、時にリッジウェイの熱さを引き出す様な動きを見せ、打撃の応酬に持っていくシーンなど、オールマークがリッジウェイをコントロールし切っていた試合内容。

 オールマーク自体も派手さはないものの、ルビー・カッターの様なオリジナルムーブ、単なるテイクダウンを見栄え良くするやり方、打撃のシーンではリッジウェイに足りない重みを足せるなど、リッジウェイにはない強み、自らの弱みを隠す試合運びを見せ、それも上手さをひけらかす訳ではなく、適切な使い方をして、対戦相手のリッジウェイまで上げていくのは天晴れ。

 クールでダウナー系のリッジウェイを上手く巻き込み、程良いアッパー系の勢いを持つせめぎ合いに昇華させていた。実力者対決だが、想像を遥かに超える激闘。必見の好勝負です。
評価:****

 

PROGRESS Wrestling Chapter 118: Fake Tickets To A Hog Roast In Sumatra 8/21/2021
クリス・リッジウェイ対ダグ・ウィリアムス

 ダグの老獪なテクニックを堪能出来る試合だが、物凄く面白いかというとそうではない。良くも悪くもダグらしい試合。リッジウェイが対応出来る選手なので、グラウンドの応酬に合わせながら、クロスフェイスをいつも以上に厳しく極める事で激しさを演出。終盤は投げ技と蹴りの比率を増やし、キャッチーに。無観客ならば御の字と言うべきか。期待通りの内容には仕上がっている。まあまあ良い試合。
評価:***1/2

 

PROGRESS Wrestling女子王座戦
ジゼル・ショー(c)対ローラ・ディ・マッテオ

 ジゼルがヒール調の試合運びで進めるこの試合。ジゼルのテキパキとしたそつのない構築と、ローラが声援を引き出す振る舞い、上手くまとまっている内容だが、この試合は無観客。ローラが溜めて爆発するタイミングで爆発が起こらない。それは全てだったという試合。

 両者動きは問題なく良く、特にジゼルは、スピーキングアウトとメジャー流入で焼け野原となったUK女子の牙城を守り続けただけある強さを示しており、今やRevPro女子と2冠王だが、彼女中心にシーンは回っていくでしょう。ヒールターンも上手くこなしている。平均より上。
評価:***

 

PROGRESS Wrestling Chapter 119: Freedom Is A Road Seldom Travelled By The Multitude 8/28/2021
PROGRESS統一世界王座戦
カーラ・ノワール(c)対ディーン・オールマーク

 堅いグラウンドに、厳しい打撃、スタイル的には親和性の高い両者だが、こちらが思った以上には手が合わなかった印象。良い試合ではあるものの、大きな勢いを生み出す事はないまま、そこそこの熱戦のまま流れてしまった印象。コミカルからシリアスまで手堅く進めてはいたが。これは有観客でもう一度行ってどうハネるか見てみたい。
まあまあ良い試合。
評価:***1/2