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IWA East Coast Masters Of Pain 2021 Review ~Kill or Be Killed~

IWA East Coast Masters Of Pain 2021 6/12/2021

 

iwtv.live

 

1回戦-エクストリーム・バックヤード・レスリング・デスマッチ
シュラック対シェイン・マーサー
 野外に置かれた軽トラックの中で暴虐獣と筋肉超人が暴れ合う流血戦。それオンリーの内容ではあるが、とにかく迫力押しで様になるのがこの2人。車の中で血がシートに付いてしまいながらも、お構いなしに戦いを続ける画が最高。楽しいオープニングでした。平均的良試合。
評価:***1/4

 

1回戦-バーブドワイヤー・メイヘム・マッチ
AKIRA対ジョン・ウェイン・マードック
 リジェクツ対決。勝者はこの後も死闘が待っているだけに、抑え目の内容ではあるが、AKIRAの新兵器キューピックを突き刺しながら場外を練り歩くなどの見せ場もあり、コンパクトではあるが外れはないカードらしく、安定した良試合でした。

まあまあ良い試合。
評価:***1/2

 

1回戦-エア・レイド・デスマッチ
ジミー・ロイド対G-レイヴァー
蛍光灯やプラスチックフォークボードに、スカフォードからの攻撃もあるが、あの壮絶な3連戦しかも天井ガラスデスマッチまで行ってしまった後では、流石にやり切った感があるのが否めない。IWA-ECのほのぼの感とこのカードの殺伐感は、正直ミスマッチだった。平均的良試合。
評価:***1/4

 

1回戦-25,000サムタック・デスマッチ
アレックス・コロン対ノーラン・エドワード
 ガラスや蛍光灯はないので、見栄えやわかりやすいインパクトとはないものの、画鋲バットを使った攻防やケース一杯の画鋲を撒き散らした上での投げを見せ、攻防面以外ではコロンの貫禄満点の立ち振る舞い、ノーランの受け表現が冴えていた。

 ノーランは、ICWよりもGCWに重きを置きそうな雰囲気が出ているが、名前が売れてローカル・シンデレラボーイを脱してどうなるか、大きな壁を越えられるか。最後は丸め込み決着とTOS3連覇のコロンに傷が付かない様な形にしているが、試合自体は満足出来る内容。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

準決勝-ライトチューブ・デスマッチ
AKIRA対シェイン・マーサー
 大量の蛍光灯を使いながら、マーサーの怪力を活かした蛍光灯攻撃をこれでもかと喰らい続けるAKIRAが、絶妙なやられ姿で魅せていく形。AKIRAのシンデレラ・ボーイ力が如何なく発揮される為、ドラマ性に溢れている。

 そしてアクション面も、AKIRAがとことん受けるので、マーサーの攻めっぷりが引き立つ相乗効果。AKIRAは、行間を埋める役割も担ってくれるので、マーサーの単発癖が上手く隠されている。

 マーサーの猛攻を耐え切ったAKIRAが、ラッシュを仕掛けて逆転勝利を果たすシーンは、最高の瞬間。決勝を残す中で、ワンマッチでも通用するレベルの試合を作り上げるのは素晴らしい。2人の持ち味が最大限に発揮された好勝負。今大会のMOTN。
評価:****

 

準決勝-シンダー・ブロック・デスマッチ
ジミー・ロイド対ノーラン・エドワード
 リングに置かれた蛍光灯とシンダーブロックを使用する試合。ノーランの受け表現は冴えているが、決勝を控えていることもあり、ある程度ボリュームを抑えた試合となっている。それでも一定の量と質があるのが素晴らしい。地味にロイドも良い方向で安定してきているのも良い傾向。平均的良試合。
評価:***1/4

 

決勝戦-ファンズ・ブリング・ザ・ウェポンズ・ドッグ・カラー・デスマッチ
AKIRA対ノーラン・エドワード
 デスマッチ・シンデレラ・ボーイズ対決であり、KOBK(Kill or Be Killed)の同門対決でもある特別なカード。視殺戦を長く行い、安易に蛍光灯を取らず、お題となるドッグカラー戦をじっくり行った点から、俺らは単なるデスマッチ・ガイではなく、通常のレスリング、ハードコア、シュートスタイル何でも出来るハイブリッドだとアピールするかの様な試合展開は興味深く、この2人なら時間を与えれば、デスマッチ凶器なしでも好勝負を作り出せる可能性に溢れている。

 この試合の後、デスマッチから次第に距離を取り出しているノーランに関しては特に、デスマッチレスラーのトップというよりも、レスラーのトップを取りにいきたいのだろう。正直働き過ぎなので、少し距離を置くくらいが丁度良い。CODのダニー戦の後、殆ど蛍光灯やガラスは使わなくなったサミを思い出す。(とはいえデスマッチ級のハードコアは今も続けているが)
 チェーンでの殴り合いや移動に制限がある事を踏まえた試合運びをしていて、2人のキャリアで細かい所まで出来るのかと感嘆。やはりこの2人は特別。

 そして終盤には、バケツ一杯の蛍光灯を投入し、ラストスパート。これに関してはデスマッチトーナメントの決勝で、求められているから使ったという事だろうが、あるに越した事はないが、なくても凄い試合になった可能性は秘めていた。

 蛍光灯の打ち合いは、物凄い勢いで、確実に決勝に相応しい光景を作り出した要因には違いないので、この試合においては、結果的に必要なピースではあった。この2人の対決は、1回で終わらせるには勿体ない。確実に将来のドル箱カードになるでしょう。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

全体評価:9.5