世界のプロレス探検隊

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MCW New Horizons 2021 Review アダム・ブルックス対ロビー・イーグルス/スレックス対ロイス・チェンバース

MCW New Horizons 2021 5/8/2021

 

 

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スレックス対ロイス・チェンバース
 チェンバースをオーバーさせる為の戦い。豪州国内ではとっくにやる事が無くなっているスレックスが、期待の若手を押し上げる役目を担う。そのチェンバースも、DDT参戦時よりもムーブの精度、ルックスと成熟度が上がっていて、自分が試合を作る立場でなければ、間違いなく魅力を発揮出来る安定感はある。格を考えればスレックスが受け過ぎ感はあるものの、その分チェンバースの魅力が伝わる内容に仕上がっている。
中々良い試合。
評価:***1/2

 

MCW世界ヘビー級王座戦
アダム・ブルックス(c)対ロビー・イーグルス

 オーストラリアマットにおいて、名実共にトップレスラー対決。そのテーマはないけれども、アダムはMCW、ロビーはPWA、国を代表する団体の象徴対決。日本で言えば新日本と全日本の王者が激闘する様なもの。
 そして彼らはオスプレイを交えて、好勝負を連発していた時期から、更にレスラーとして実力も格も上がっており、もう驚愕のムーブ連発、これでもかと切り返しや飛び技を詰め込む様なとにかく物量で評価を貰いに行く段階は卒業していて、試合運びもシンプルながら、じっくりとした攻防、ゆったりとした間を駆使しながら、適度に攻守を入れ替え、場外戦やロビーの脚攻めという要素も組み込み、正確にロングマッチを展開させていく。軽量級らしいスピード感やキレは保ちつつ、トップ対決らしい重厚感も備えている。
 物量押しした方が、ファンにもメルツァーにもわかりやすく伝わり、世界にその評価が広まるものの、もうそれは必要ない。シーンのトップレスラーとして世界で活躍する2人の余裕や自信が、この試合の気品高さに色濃く反映されている。
 エプロンへの投げはあったものの、アダムの試合に良くあるカナディアン・デストロイヤーの連発はなく、ロビーの執拗な脚攻めからのロン・ミラー・スペシャルを耐え抜いたアダムが決死の逆襲を遂げる。攻防は色々散りばめられていても、このテーマ一本で、いとも容易く、好勝負レベルのロングマッチをやり遂げてしまう。
 確かにこの試合のクオリティで、更なるビッグマッチならば、カナディアン・デストロイヤーはあっても良い。特別なシーンが、全編で2〜3あれば、名勝負確定。これ位しか言いようがない程、文句無しの完成度を誇る好勝負。このカードは、新日本かROHで、もっと世界に名を轟かせるべきである。素晴らしい激闘でした。
文句無しに好勝負。
評価:****1/4

 

全体評価:7.5+