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ICW No Holds Barred Volume 16 Review ジョン・ウェイン・マードック対ジャスティン・カイル他

ICW No Holds Barred Volume 16 7/10/2021

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iwtv.live


ブランドン・カーク(w/ケイシー・カーク)対デイル・パトリックス
 痛めているデイルの脚を集中攻撃するブランドンと痛みを表現しつつも、倍返しの大流血に追い込むデイル。そして脚を負傷していても、蛍光灯束攻撃はしっかり喰らって盛り上げに一役買う良妻ケイシー。ローカルヒーロー対嫌われ者夫妻のシンプルな勧善懲悪。短時間だが持ち味を凝縮した良試合。

 コンディションはお世辞にも良くはないながらも、AWRのトーナメントにも出場するデイルは勿論、カーク夫妻も仕事が的確。嫌われ者といってもカーク夫妻のやられっぷりはすっかりICW名物。CZW時代を考えると、カーク夫妻が本領を発揮出来ていて、支持もしっかり受けていて感動。要するにFxxk DJ!!ということです。中々良い試合。

評価:***1/2

リード・ベントリー対ボビー・ベバリー
 ベテランのデスマッチ職人対決は、ベントリーが階段落ちまで見せた場外戦、ベバリーの的確なコントロール、蛍光灯束を豪快に使ったと思いきや、バックドロップ合戦に繋げる渋さまで、武骨さとテクニカルな面を両立させている。最後はベバリーの猛攻を凌いだベントリーが、形の綺麗さなんて気にしないスライディングDから絶賛流行中のダブルアーム式パイルドライバー(タイガー・ドライバーとジェイ・ドリラーからタイガー・ドリラーと言われていた)で激勝。
 ベントリーは安定した働きだが、ベバリーの好調ぶりは、この試合でも光っていた。昨年はリジェクツの2人、マードックとベントリーやベバリーの相方エリック・ライアンが、デスマッチシーンの主役へと躍り出たが、今年もデイル・パトリックス、ボビー・ベバリーというフェードアウトしかけていた影の実力者の台頭が顕著。

こう言いたくなる程ベバリーの勢いは目覚ましい。好勝負に届かない良試合。

評価:***3/4

 

ICWアメリカン・デスマッチ王座戦

ジョン・ウェイン・マードック(c)対ジャスティン・カイル


 普段はデスマッチを行わないカイルが、団体の至宝アメリカンデスマッチ王座獲得へ、デスマッチ参戦。打撃とスープレックス、豪快なスピアーなど肉弾戦では圧倒するも、そこは百戦錬磨の現王者マードック。蛍光灯中心に形勢逆転。カイルの特性を生かす為、序盤とクライマックス以外は殆ど場外戦だったが、蛍光灯や椅子を使い、勢いを持続させる構築を見せたのは見事。

 攻防をちまちましてもカイルの良さは出ない。絶対王者であるラインと、カイルがビーストであり続けられるラインを守っていたのは絶妙。攻撃は当然破壊力満点だが、受けっぷりも流血も豪快。デカくて動けてMMA経験者が真摯にデスマッチに向き合ってくれたら良いものが作れない訳がない。

 エースと用心棒の激突は、団体が誇るトップファイター同士のスーパーファイトとなりました。最後も隙を見せたカイルの背後から蛍光灯攻撃。そして燃え盛るドアへのブレーンバスター一閃。最高のフィニッシュ。

 カイルにしか出来ない迫力が活きた内容となっていて、新しい風を吹かせてくれた。マードックの相手の良さを引き出した上で、シンプルながら説得力満点の締め方をしてくれる王者の貫禄溢れる闘いも感嘆の一言。
現時点での今年のICWのベストマッチ。好勝負。

評価:****

 

全体評価:8.5+