世界のプロレス探検隊

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ROH Review 2021 オールドCZWファン感涙!? ブリスコ兄弟プレゼンツ ハードコア農場プロレス !!

ROH ROH Wrestling #511 7/2/2021
Fight On The Farmマッチ
ジェイ・ブリスコ対マーク・ブリスコ

 ブリスコ兄弟が経営する農場の敷地内での試合。父親が見守る中、シンプルなド突き合いは、荒々しさと疾走感が共存した展開が続く。マークのハードバンプとビッグダイブ、ジェイの業界随一のキレ味を誇るパンチと凶器攻撃が光る乱戦。ROHではあるものの、場所はデラウェアということで、初期~中期のCZW、特にUVUを彷彿とさせる試合内容になっているのは、オールドCZWファン感涙。荒くれ者兄弟の激しくもほのぼのとした試合展開は、ブリスコ兄弟にしか出せない。

 ROHも無駄なことを一切しなかったのは英断。有観客大会も決まり、今更シネマティックマッチをするところは、当初遅れていると感じたが、遅れていようがワンアンドオンリーを目指す。WWE行きの噂が立っても、ROHに残り続けたマイペースな彼らにしか出来ない。

 屋根からのスーパーダイブによるテーブルもあり、最後は特別レフェリーの父親にリングに連れ戻され、試合再開するもダブルノックダウンでフィニッシュと、誰も傷つかないフィニッシュ。特段抗争している訳ではなく、番外編的位置付けということもあり、これはこれであり。ブリスコ兄弟の持ち味全開のハードコアマッチでした。
好勝負。
評価:****

 

ROH ROH Wrestling #507 6/4/2021
ピュア・ルールズ
ジョシュ・ウッズ対サイラス・ヤング

 

www.fite.tv

 


 元パートナー同士の対決はピュア・ルールズでの一戦。アマチュアレスリングでオールアメリカンに選ばれ、プロのMMAファイターの経験もあるウッズと、シュートスタイルではないものの、確かな技術を持ち、キャリアにも勝るベテランサイラスの一戦は、グラウンドのテクニックに勝るウッズの卓越した技術の数々と、それを何とか封じて自分のペースに持っていこうとする老獪なサイラスの手に汗握る鬩ぎ合いが楽しめる。

 シュートスタイルの一つではあるものの、ROHが生み出したピュア・ルールズという形式だからこそ、スローペースなグラウンドの応酬でも、スリルがないと感じずに、じっくりとした攻防だと思わせるのもよく、演者側も韻を踏む様な素早いテイクダウンや、ナックルを使うと警告になる為、イラつかせてわざとナックルを使わせる、無駄打ちしないローププレイクの絶妙な使い方も非常にそれぞれのスタイルにも、ピュア・ルールズという試合形式にも合わせと当然良い意味で非常に練り込まれた内容となっている。

 結果的にライバル関係を更に煽り、PPVのラストマン戦に繋げる為の試合ではあるが、これ単体でも非常に楽しめるもので、ウッズが経歴や技術の高さに見合った活躍を遂に残せる様になったのは、ROHにとって大きい。ピュア王座戦線であっても、それ以外の王座戦線であっても、貴重な戦力となってくれるかもしれない。テクニシャンでありながら、ルックスがいかにもアメリカ人の格闘家、タフ野郎というのもわかりやすく良い。後、日本向きなのは間違いない。好勝負。
評価:****