世界のプロレス探検隊

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アイスリボン レビュー 2021 ”蛍光灯デスマッチ"世羅りさ対山下りさ/藤本つかさ対雪妃真矢他

アイスリボン

雨のち、リボン~さよなら俺たちの松屋うの~」 6/27/2021


FantastICE選手権試合-蛍光灯デスマッチ
世羅りさ(c)対山下りな
 

 6年前は蛍光灯デスマッチを行う事が叶わなかった世羅だが、時を経て、経験を積み、好敵手山下りなを得て、後楽園のメインイベントとして遂に実現。

 とはいえ世界のデスマッチ基準でいえば、6年前ですら既にデスマッチレスラーとしては超オーバースペック。更に今回の対戦相手の山下りなは、デスマッチをやらなくても凄い試合が出来る選手ということで、蛍光灯を交えながらも、凶器なしの攻防でも魅せ、着実にステップを踏んでいく丁寧な試合内容となっていく。

 記念すべき試合だけに、ここは絶対に外してはいけないという緊張感がまた痛い程伝わる試合展開。身体の張り方、流血具合、蛍光灯の使い方、繋ぎの攻防と悪い所は全くないものの、過激度、クレイジーさとしては、これまで彼女たちが行ってきたデスマッチに比べるとまだまだ低い。もっと出来る。もっと狂える。もっとぶっ飛ばせる。見える観客だけではなく、歴史や同僚、男子デスマッチレスラーの見えない厳しい目を気にしながら戦っていたのは言うまでもないだろう。

 十分すぎる良試合ではあるが、日本マットにおいてデスマッチの敷居が高くなり過ぎていて、男子若手デスマッチレスラーが生まれない構造上の問題が、ここでも少し浮き彫りになっていたが、それすらも打ち破れる実力を持っているのがこの2人。蛍光灯の使い方も的確で、鮮血に染まった山下の背中は圧巻。立派にメインを務め上げた。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

アイスリボン 「アイスリボンマーチ2021」 3/27/2021
ICE×∞選手権試合
藤本つかさ(c)対雪妃真矢
 

 アイスリボン頂上決戦であり、業界内でも屈指のトップレスラー対決は、とにかく上品。上品だから激しくない訳では全くなく、無駄な攻防も露骨に評価の加点や盛り上げを狙ったスポット、エルボーの打ち合い連発はなく、打撃、グラウンド、腰攻め、丸め込みの応酬、得意の投げ、切り返しと様々なエッセンスが入っていながら、完成度の高いアクションと絶妙な構成バランスで、全編通してとにかく心地良いのが印象的、ずっと見ていられる極上の内容となっている。

 この2人のレベル、ポジションなら30分超え、60分フルタイムも目指したくはなるだろうが、それよりも20分強の試合時間で、内容を凝縮させる。その選択も気品に溢れている。この2人の試合に外れなし。完成度が高過ぎるが故、知名度が足りないが故(筆者的にはこの2人の知名度が足りてないとは全く思っていないが、世間的に)かもしれないが、もっと伝わって、話題になって欲しい好勝負。文句無しに好勝負。
評価:****1/4

 

アイスリボン

アイスリボン1109 in SKIPシティ 4/11/2021
FantastICE選手権試合 30分3ポイント勝負
世羅りさ(c)対テクラ

※反則裁定なし、ロープエスケープなし、レフェリーが特に危険とみなした凶器以外の使用が認められるハードコアルール。
相手を流血させる=1ポイント、3カウントを奪う=1ポイント、

ギブアップを奪う=1ポイント
3ポイント先取した方が勝ち。 ※各ミッションでのポイント加算は1回のみ。


 ファーストブラッド、ピンフォール、ギブアップ各1ポイントを計3ポイント先取した方が勝ちの変則ルール。まずは世羅が有刺鉄線竹刀を駆使し、テクラを流血させ、まず1ポイント。続いても有刺鉄線竹刀を使用し、ギブアップを奪い2ポイント。有刺鉄線竹刀。有刺鉄線も竹刀もポピュラーではあるが、どうしても使い捨てられがちな凶器を、徹底的に使うことで、中盤まで消化出来たのは効果的だった。流血にも支えられて、ハードコアらしさも整っている。

 一気に窮地に追いやられたテクラだが、持ち前の毒蜘蛛殺法で反撃。キャラクター性もあり、説得力もありと、日に日に成長を続けていて、デスマッチ女王世羅りさ、ハードコア戦との親和性も抜群。反撃の仕方も非常に見応えがあった。

 そして2対2になり、クライマックスに移行。正直ハードコア度は低くても、面白さは落ちないまま、最後まで走り切ったのは予想以上。ゲーム性が強く、良い試合が生まれにくいファーストブラッド戦を有効的にリアレンジしたアイデア力は天晴れ。この変則3ポイントマッチは、ルチャとも親和性がありそう。想像を遥かに超える面白い試合でした。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4