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PWT(Pro Wrestling Trainwreck) Southern Sickness Cup 2021 Night2 & ブルーレイ特典 Review ~好敵手勢揃い! マードック包囲網~

PWT(Pro Wrestling Trainwreck)

Southern Sickness Cup 2021 Night2 5/15/2021

 

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準決勝- The Match That's Gonna Stingデスマッチ
サトゥ・ジン対アレックス・オーシャン対オリン・ヴァイト
 この試合はエリミネーション・ルールは適用されなかったが、それが功を奏し、巨漢のジンが、その他2人を薙ぎ倒すシーン、その他の2人が協力してジンを倒すシーンと様々なパターンの攻防があって楽しめる。準決勝の中で1番上手く3ウェイを表現出来ていたカードでした。まあまあ良い試合。
評価:***1/2

 

準決勝-ビルド・フォー・デストラクション・デスマッチ
ジョン・ウェイン・マードック対バン・サリバン
 蛍光灯大束やガラスボード等上級凶器群が並ぶ中、シンプルに投げ技と打撃のみで仕上げたのは、クレバー。これだけ豪華であれば、余計な演出はいらない。マードックは変わらず非の打ち所がない試合運びを見せ、

 対するサリバンも、この後にあったTOSのコロン戦がまぐれではなかったことを証明するかの様なファイトを見せる。余計な事をしない、普通に試合運びが上手、それでいてデスマッチファイターらしいタフ野郎感も出ていると、大活躍。マードックが格の差を示し、切って捨てたフィニッシュだったが、試合後、イアンがお褒めの言葉とKOTDMの出場を言い渡したのが、全く違和感はない戦いぶりでした。

好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

準決勝-Big in Japanデスマッチ
ルーベン・スティール対エリック・ライアン対カサノヴァ・ヴァレンタイン
 突き詰めた内容にはならなかったが、各種凶器を、3ウェイ的展開を織り交ぜながらテンポ良く。強いて言えばヴァレンタインとルーベン位で、余り接点が多くはない3ウェイではありながらも、それぞれの個性が立つ様に構築しているのは流石。

 ヴァレンタインの脱落シーンが呆気なかったのを観て、畳み掛けたライアン対ルーベンは非常に楽しめた。蛍光灯にヒットしなかったと見るや、マウントでのパンチ連打で倒したライアンのゴリ押し位は笑ってしまう程である。平均的良試合。
評価:***1/4

 

決勝-ビッグ・ヴィックズ・グラス・ジャングル・デスマッチ
(エリミネーション・ルール)
ジョン・ウェイン・マードック対エリック・ライアン対ノーラン・エドワード対オリン・ヴァイト
 ICW NHBにおけるマードックのライバル3人が登場し、大量の蛍光灯と共に包囲網を敷く格好となった決勝。1人ヒールのライアンがボコボコにされながら、蛍光灯をこれでもかと消費する形の序盤。疾走感は物量と共にかなりあり、これでもかと蛍光灯がなくなって、それぞれ血だるまになっていく展開。

 昨年のKOTDM、POTDMそして今年のDouble Deathの様にベバリーがライアンの助太刀にと介入し、ノーラン、オリンを片付けていくきっかけを作る。その片付け形は、唖然とする様な激ヤバスポットもありと堪らない。そして最後はICWアメリカンデスマッチ王座を争った宿命のライバル対決。互いにあわやというシーンを作りながら決めきれず、またも介入をしようとしたベバリー。そこに今大会でも挑発を受けていたIWAMS総帥イアンが、ベバリーに反撃!息子JCから受け渡された蛍光灯大束を破壊する頭突き一閃!! 最後に愛弟子マードックの窮地を救い、最後はクイック一閃。マードックが悲願のトーナメント制覇を達成したこの試合。
 豪華メンバーの4ウェイに大量の蛍光灯と、このメンバーなら30分超えも軽く出来てしまう程ではあるが、ボリュームは備えながらも、上手くまとめてみせた内容。ストーリー的にも昨年から続くもの、昔から色濃く残る、師弟関係ライバル関係という背景もありながら、激しいデスマッチと互いに邪魔にならない様になっていたのは好感。

 そして最後のイアンの攻撃が、全て。千両役者は一瞬で全てを持っていく。そしてこれが来たるKOTDMへの伏線となると思うと、ワクワクしかしない結末でした。続きも気になる最高のハッピーエンディング。好勝負。
評価:****

 

(ここからはブルーレイ特典のノーリング・デスマッチをレビュー。ダウンロード版にはこの特典は収録されていないので注意です。)

 

ジョン・ウェイン・マードック対AKIRA
 リジェクツ対決は安定してはいるものの、特にマードックはトーナメント本戦に勝ち進んでいるので、AKIRAの愛犬の可愛さが印象的な軽めの乱戦でした。平均より上。
評価:***

 

ルーベン・スティール対ボビー・ベバリー
 蛍光灯山盛りデスマッチよりも、ノーリングで縦横無尽に暴れ回る方が、数倍も魅力が出るのは、ヘビー・ファッキン・メタルだからでしょう。そんなルーベンに合わせながら試合を進めていくベバリーもベテランの技。彼もデスマッチシーンに参入してから、安定した働きを見せていたが、このトーナメントと本領発揮それ以上の活躍を見せていて、頼もしい限り。ひたすら楽しい一戦。中々良い試合。
評価:***1/2

 

JCロッテン対マーシャル・マザーズ
 蛍光灯をふんだんに使用したデスマッチ。所々マザーズの身軽さを活かしたムーブがアクセントを生み出している。この後の本戦を控えていないという背景はあるけれども、短時間にやりたい事を注ぎ込んだ大流血戦でした。中々良い試合。
評価:***1/2

 

JCの彼女?パートナー?がプリシラ・ケリーにしか見えないのでドキッとしてしまったのは余談。


特典合わせて 全体評価:8