世界のプロレス探検隊

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No Peace Underground Fear The Gay Agenda Review パロウ対EFFY ~LGBTQ+'s Greatest Ultraviolence~

No Peace Underground(NPU) Effy's Fear The Gay Agenda 6/11/2021

 

iwtv.live

 

プライド月間ということで、LGBTQ+コミュニティの選手たちが参戦。併せてロゴも虹色。そしてカクタス・ジャックことミック・フォーリーからのビデオメッセージでスタート。

ダーク・シーク対トリッシュ・アドラ
 米軍でもチーム3Dアカデミーでもノーリングデスマッチは習わない。とはいえハードコアレベルでも凶器攻撃に対する抵抗感満載のアドラを、キャリアに勝るシークがサポートしながら進める形。タバコを吸った後、チョップを受けて煙を吐き出す等色々な事を思い付くなという印象。非デスマッチファイターであるからこその発想は面白く、トランスジェンダーの芸術性も活かしていて、シークの頼もしさが光った内容でした。ちなみに試合前には、客席にいたWWE NXT所属ショッツィ・ブラックハートが、シークと抱き合うシーンのおまけつき。平均レベル。
評価:***

 

ラスト・ダディー・スタンディングマッチ
パロウ対EFFY
 スポーツカーに乗ってタバコを吹かしながら登場のエフィー。中央の椅子に座りつづけて10カウントが勝利条件。芸術性に溢れた入場から一転、大量の蛍光灯束に度重なる頭部への容赦なき椅子攻撃に、会場を飛び出し、街中での攻防とストレートな暴虐で魅せる一戦。

 エフィーはGCWで、パロウはNPUでデスマッチ経験を積んだからこそ不慣れな感じは一切なく、デスマッチをアートの表現方法として完全にモノにしているのは賞賛に値する。両者おびただしい大流血姿になりながらも、実直に相手を倒す為に蛍光灯を浴びせ続ける。フォールではなくラストマン戦という形式も死闘感を後押し。そして蛍光灯櫓トラップを被弾した後、仕上げはNPU名物火炎ガラスボード&ドア葬で凄惨にフィニッシュ。

 どのデスマッチ団体に出してもおかしくない過激度を誇る一方で、エフィーの芸術的な面と武骨な面、パロウの怪物性が存分に引き出されている。そしてフィニッシュシーンに代表される様に、ライブハウスならではの照明の使い方も他には出来ないインパクトを与えていて、相乗効果を生んでいた。演出面も格別。

 LGBTQ+をテーマにした大会、試合は多くなって来たが、その中でも最高傑作。GCWはエフィーをレギュラーで使っていながら、これを生み出せなかったのは惜しい事をした。現時点における両者のキャリアベストで、団体はおろか歴代のノーリングデスマッチでもかなり上位に入る死闘。まだまだノーリングデスマッチ×ライブハウスの可能性は溢れていると実感する内容でもありました。好勝負。
評価:****

 

全体評価:7.5