世界のプロレス探検隊

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Chikara Review キンバー・リー対ハイディ・ラブレス(ルビー・ライオット)/師弟対決? キンバー対戦闘蟻

Chikara Pro Dead Man's Chest 2/27/2016

iwtv.live


Chikaraグランド王座戦
プリンセス・キンバーリー(c)対ソルジャー・アント
 ソルジャーの洗脳が解けたとはいえ、何でまたこのタイミングでの王座挑戦なのでしょう?恐らく当時はChikaraファンでない限り、スルーしたに違いないカードだが、時が経ったからこそ色々理解したことで、このカード、内容の特別性を汲み取れる。

 試合は、グラウンドにサブミッション中心の一進一退。敬礼も蟻ムーブも必殺のTKOもなく、ソルジャーはひたすら足へのサブミッションを狙い続ける硬派な試合展開。対するキンバーもしっかり喰らい付くのは見事。まるでフィラデルフィアの道場で何度も手合わせしたかの様な厳しい鬩ぎ合いが続く。観ていてBeyond Wrestling?と錯覚してしまう程だが、玄人好みに寄り過ぎず、ドミネイトシーンも余りなかったのは、それぞれのキャラクターがあるからで、上手くマイルドになっていたのは結果オーライ。

 プリンセスと蟻なのに、まるで深い師弟関係対決の様な熱戦。20分近い内容でも全く質は落ちず。2021年になったからこそ見返して欲しい試合です。好勝負。
評価:****

 

Chikara Pro The Secret Of The Ooze 3/19/2016
Chikaraグランド王座戦
プリンセス・キンバーリー(c)対ハイディ・ラブレス

 女子同士のグランド王座戦。男子メインの団体で女子同士の女子王座ではない、トップ王座戦という歴史的なカード。後々インパクトレスリングで、テッサ対タヤのインパクトレスリング世界王座戦を行った事があるが、それは2020年。と思うと2016年に実現したと思うといかに時代を先取りしていたのかが良くわかる。


 

 しかし、この2人は男子にも全く引けを取らない実力者。投げ・打撃・グラウンドとどれを取ってもハイレベルで重厚。試合全体を通して、全く無駄がなく、スリル感も熱量も保ったまま、20分試合を作り上げた。この大抜擢に臆する事なく、実力通りに力を発揮した好勝負。ハイディがWWEをリリースされた今、このカードの再戦も期待したいところ。

 ハイディ・ラブレスの帰りを世界中のファンが、全米中のインディ団体が歓迎するだろう。人格者であることは、リリース後の同業者の反応が全てだとは思うが、レスラーとしての素晴らしさは、彼女が残してきた偉業が全てを物語ってくれる。好勝負。
評価:****