世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

WWE NXT Review 2021 クロス対ベイラー/ガルガーノ対リード他

WWE NXT #455 5/18/2021
WWE NXTノース・アメリカン王座戦-スティール・ケージマッチ
ジョニー・ガルガーノ(c)(w/オースチン・セオリー)対ブロンソン・リード

 巨漢リードの猛攻を耐え忍びつつ、セオリーの介入を効果的に使う狡猾なガルガーノという形。ヘタレとまでは行かないまでも強さを抑えてズルく行くのは、ガルガーノはお手の物。SMASH WrestlingでのFOURTH GUNN時代を彷彿とさせる。リードも動けてパワフルで上手いので、金網の使い方も分かりやすくしていて好感。あそこまで叩きつけたのなら流血が欲しくなるものの、これはWWEなので仕方がない。

 長くはない試合時間の中に、金網戦らしさ、2人のキャラクターと特性、セオリーの度重なる介入に雪崩式の大技も込みと、突き抜けたレベルとまでは行かないまでも、TVサイズでは合格点となる、絶妙なまとめ方を見せた熱戦。中々良い試合。
評価:***3/4

 

WWE NXT TakeOver: Stand & Deliver – Night 2 4/8/2021
WWE NXTクルーザー級王座統一戦-ラダー・マッチ
サントス・エスコバー(c)対ジョーダン・デヴリン(c)
 ヒール対ヒールなら内容で勝負と、世界有数の軽量級戦士対決に振り切ったのは大正解。全くイメージが出来なかった両者の対決ではあったが、流石激戦の強者だけあり、上手く持ち味を落とし込みながら、安全策で組み込まれたラダーをしっかりと使い込んで、身体を張るスポット、登り降りのシーンを組み込む技巧と期待以上の使いっぷりを見せたのは収穫。デヴリンがベビーフェイスであれば、介入も効果的になり、ドラマチックに出来たと惜しい点はあるものの、ラダー戦の見所が詰まった激戦でした。

好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

WWE NXT王座戦
フィン・ベイラー(c)対キャリオン・クロス(w/スカーレット)
 クロスの怪物性を尊重する為に、7対3位の配分で攻められるものの、かと言って弱さは出さず、グラウンド、チョップと厳しい攻撃で切り崩していきながらも、ここぞのクイックや切り返しでスリル感も同時に演出しているのも憎い。クロスは怪物でありながらもシュートスタイルの要素もあり、そもそもベイラーはレスナー等メインロスターの時は体格が上の選手とばかり戦っていたので、この様な状況はお手の物。シンプルに手が合うのだろう。

 試合が進むにつれて、内容が良化していった。最後はクロスの王座奪取をアピールする為に、サプライズ感を強めた形だが、この内容を見れば、リマッチがこの試合を上回る内容になったのは頷ける。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

WWE NXT #456 5/25/2021
WWE NXT王座戦
キャリオン・クロス(c)(w/スカーレット)対フィン・ベイラー

 テイクオーバーのリマッチ。テイクオーバーの試合もかなり可能性に満ちている良試合だったが、この試合では、全体的に更に厳しく洗練している。腕攻めで切り崩す要素は少なくなっていたが、その分色々な手を使って切り崩すバリエーションが増えており、サブミッションもより強めに使っていたのが功を奏して、更なるスリル感を演出。  

 クロスもWWEの管理プロレスで粗が少なくなっていて、元々の能力をストレートに発揮出来ている。怪物対スターの特別性を備える一方で、日本プロレスの様な肉体で削り合う展開が多く、WWEファンも日本プロレスファンも楽しめる内容となっている。

 終盤もクロスの豪快な攻めと逆転を狙うベイラーの反撃に対して、前回の試合に比べ、時間を多く割いており、ボリュームアップ。将来一軍のPPVで組まれてもおかしくない激戦となりました。これは数え歌認定したい。好勝負。
評価:****

全体評価:7