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PWA Black Label Aussie Open Vs. VeloCities Review "豪州タッグNo.1決定戦" オージー・オープン対ヴェロシティーズ

PWA Black Label Aussie Open Vs. VeloCities 5/8/2021

 

www.fite.tv


PWAタッグ王座戦
ヴェロシティーズ(c)(ジュード・ロンドン&パリス・デ・シルバ)対オージー・オープン(カイル・フレッチャー&マーク・デイヴィス)

 

 とにかく凄い。攻防の質、タッグとしての連携力、個々の見せ場になっても戦える技術。ロングマッチになっても全くダレることがない等、褒めちぎるしかない試合内容に脱帽する激戦。

オージー・オープンに特化すると、フレッチャーのシングルレスラーとしての力が上がっており、前の様にフレッチャーが耐えて、デイヴィスが爆発。でもフレッチャーのパートだと見劣りするという場面はなく、強さ激しさを見せて試合全体をリード出来ているのは、デイヴィスの長期欠場中にシングルレスラーとして試行錯誤を重ね、丹念を欠かさなかった成果が表れている。

 ここまでは手放しで褒めていて、これは5スターではないかと思いたくもなるが、この試合は凄すぎることが、上を目指す足枷になっていたのも事実。どうしてもオージー・オープンが攻める割合が増えるのは仕方がない。体格差を表現するなら尚更だが、この試合では両チーム共ベビーフェイスな為、ヒールプレイで溜めを作りにくく、ダメージが大きい技を序盤中盤に持って来るしかなかったというのは要因の一つ。

 オージー・オープンとヴェロシティーズが同じタフさ、いやオージー・オープンの方が厳しい投げ技が多い中で、試合の激しさは増す一方で、序盤から終盤まで36分のうち、30分近くはキレキレなまま続けていたので、技の価値が保たれていない印象は受けた。36分という試合時間について。実質このメインのワンマッチの様な大会構成だったので、長くするしかないが、両チームのスタイル的に20分前後で凝縮した試合にすれば、プロレス史に残るタッグマッチになった可能性は高いだろう。それ位圧倒される攻防の数々を試合通して続けていた。

 中々国際線は開きづらく、特に大陸間の壁は高い中で、今のうちに5番勝負を行って貰い、ビア・マネー対MCMGの数え歌を超えて欲しい。それ程可能性に満ちた内容。ドラゲーやChikaraが好きな方、タッグマッチ好き、シャーデンフロイデに想いを馳せている方は特にお勧め。度肝は確実に抜かれる好勝負。
評価:****

 

PWA Black Label Always Bring Your Gear 3/27/2021
オージー・オープン(カイル・フレッチャー&マーク・デイヴィス)&ロビー・イーグルス対ヴェロシティーズ(マット・ダイヤモンド、ジュード・ロンドン&パリス・デ・シルバ)

 オージー・オープン対ヴェロシティーズの前哨戦的マッチメイクではあるものの、内容は団体のトップ6人が揃っただけあり格別の内容。オージー・オープンとヴェロシティーズの組み合わせは、温存している面はあっても、やはり業界屈指のタッグ力がある両チームだけあり、レベルの高い攻防を連発。更にそこにロビー・イーグルスとそのロビーの相方でもあるマット・ダイヤモンドが気合の入った攻防を見せてくれるので、全く飽きさせない。

 多少の緩さや構築の簡素さはあっても、それ以上に見応え十二分の展開ばかりで大満足。トリオスポットもタッグでの攻防もシングルでの対決もどれを切っても楽しめる内容。Chikaraや闘龍門らしさが存分に感じられるのも良い。大会が復活するのなら、このままKing of Triosに出したくなる激戦。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4