世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

DDT Review 2021 クリス・ブルックス対赤井沙希/有刺鉄線棺桶デスマッチ他

DDT MAX BUMP 2021 5/4/2021

DDT EXTREME級&アイアンマンヘビーメタル級両選手権試合
クリス・ブルックス(Extreme ch)対赤井沙希(IHM ch)
 

 Fight Club Proではニクソン・ニューウェル(現WWE ティーガン・ノックス)とタッグを組んだり戦ったりし、里村明衣子との抗争やチョコプロでの活躍も記憶に新しく、数多くのインタージェンダーマッチを行い、好勝負も残した経験があるクリスが、赤井の良さをとことん引き出していく試合。体格が近いということで体格差を印象付ける訳ではなく、赤井の激しい打撃、絡み付く様な関節技を軸として、一進一退の展開を繰り広げる。クリスのコントロールが惚れ惚れする様な素晴らしさで、これは日本の選手にはどう頑張っても出来ない世界観である。久しぶりにUKシーンのトップレスラー、クリス・ブルックスらしさを出せる機会になっていた。

 しかし、赤井の奮闘も印象的。重さよりもシャープな打撃の性質を持っている中で、バリエーションの多さを活かし、カウンターでKOさせる画を多く見せていたのが印象的。身長は多いけれど体重はクルーザー級のクリスだからこその構図。対等以上に打撃で押し、必殺技も出し惜しみなし内容の濃い激闘となった。サイバーフェスでも再戦を組みたくなる程の好勝負。
評価:****

 

DDT KAWASAKI STRONG 2021 2/14/2021

DDT UNIVERSAL選手権試合
上野勇希(c)対坂口征夫
 竹下の様なアスリート全開タイプで、甘いマスクにハイフライヤーと飯伏をDDTに蘇らせた様な上野。類稀なる身体能力を誇る良い選手だが、それ以上でも以下でもなく、プロレスというジャンルにおいて、アクセントは足りない。しかし今回相手の坂口が打撃に関節とこれでもかと自らの土俵に誘い込み、ギタギタにした事で、上野だけでは見せることの出来ない世界に到達させた見事なスタイル・クラッシュ。

 普段逆境に立つはずもない完成された造形物の様な上野を、強制的に逆境に立たせたのが正解。それで関節で一本取るのは流石にやりすぎ感はあったけれども、坂口の鋭さが最高にマッチした熱戦となりました。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

KO-D無差別級選手権試合
遠藤哲哉(c)対秋山準
  遠藤の細かな脚攻めをキャリアに勝る秋山が、トレンドの技であるクイック・パイルドライバー連発で主導権を握り返す展開は面白い。遠藤をドミネイトする様な展開でもなければ、秋山を削り倒す、もしくは身体能力で押し切る展開でもなく、まとまってはいるものの、つま先だけお互いの領域に踏み込んだけれども、積極的には混ざり合わず、徹底的なスタイル・クラッシュにはならなかった印象。豪快なハイフライング、得意技、裏必殺技等を織り交ぜ、30分超えのロングマッチをハイレベルにやり切ったのは素晴らしいが、特別な内容にはなり切れなかった。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

全体評価:7.5

 

DDT Day dream Believer 2021 3/14/2021
DDT EXTREME級選手権試合-有刺鉄線棺桶デスマッチ
勝俣瞬馬(c)対クリス・ブルックス
  W★INGオマージュの形式であるが、蓋を開けてみると鎖鎌は何とかやってみたが、絞首刑もビッグファイヤーも大流血もなく普通のハードコアマッチ。動ける2人なのでハードコアにしたら上々で身体も張っているが、皆が期待する様なアングラ全開のデスマッチでは全くないので、それに期待すると怒り狂うか呆れてガックリしてしまうだろう。棺桶もそれなりにうまく使えていたが、セコンドの介入が意味不明だったなど、いまいち伸び切れなかったのは惜しまれる。平均的良試合。
評価:***1/4