Limitless Wrestling Double Vision 3/19/2021
Limitless Wrestling - IndependentWrestling.TV
Limitless Wrestling世界王座戦
クリスチャン・カサノヴァ(c)対ダニエル・ガルシア
まずカサノヴァの身体がバッキバキ。棚橋かと思う様な仕上げ具合。この試合でインディラストとなり、 WWE移籍が決まっている中で、まさにトップタレントというに相応しい雰囲気を身に纏っている。試合はオーソドックスなグラウンドから始まる一進一退が主となる王道のロングマッチ。
カサノヴァのフェアウェルということで、カサノヴァも対戦相手のガルシアも過去最高レベルで研ぎ澄まされた振る舞い動きを見せており、無駄はなく動きは切れ味鋭い。カサノヴァは身体能力の高さを示す技を決めれば、ガルシアは関節技を中心に厳しく攻め立て、試合を締める。それを集中を切らさず、最後まで質を落とさずに、熱量を最大限保ったまま、単調にもならずに、20分以上続けることが出来た。フェアウェルでベストワークを見せるという中々ない光景というのも面白い。去るものの思いとベルトを受け継ぐものの思いが乗り移ったかの様な魔法の時間。この試合を見ると、今後の両雄の活躍に、更に期待したくなる必見の大激戦でした。好勝負。
評価:****
Limitless Wrestling Vacationland Cup 2020 12/19/2020
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Vacationland Cup 2020 1回戦
ダニエル・ガルシア対リー・モリアーティ
俊敏性があり、攻撃は鋭い。腕攻めと脚攻めという代表する部分破壊の手段も持っている両者。疾走感と激しさを両立させ、関節技の攻防を軸に配置しながらも、それ以外でも決める事が出来るバリエーションも備える。一極攻めを展開しながらも、隙をついた関節技でいつでも一本を取れるぞというスリル感も忘れないのが好感。見ていてウキウキしてしまう程手が合う。ダラダラした所が全くなく、何回でも見ていられる組み合わせ。シリーズ化したのも頷ける内容でした。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
Limitless Wrestling Suffer No Fools 4/16/2021
https://iwtv.live/promotion/Limitless-Wrestling#WAvYBJk4OE
Limitless Wrestling世界王座戦-サブミッション・マッチ
ダニエル・ガルシア(c)(w/ケビン・ブラックウッド)対リー・モリアーティ
2021年版レイヴ対ママルーク。これを更に近代化させたレスリングマッチ。サブミッション・マッチだからといって、まったりとしたグラウンドの攻防、必殺サブミッションに帰結する為の部分破壊はなく、最大速度で行うグラウンドの応酬から入り、モリアーティは所謂ラ・ミスティカ(旋回式脇固め)、ガルシアは、急角度のシャープ・シューターを必殺技としているものの、モリアーティは、ミスティカ以外の腕へのサブミッションを、ガルシアはボストン・クラブやギロチン・チョークをと、枠に囚われず、いつ試合が決まるかわからないスリル感を保ち続け、それでいてその技で決まらなくても部分破壊の効果も持たせて、得意技の布石にも使える、何重にも考えられた攻防の数々。
グラウンド以外にも打撃や投げでも激しい攻防は多くあり、とにかく相手を降伏させる為に全ての手を尽くす。華麗さや疾走感の中にそれが確固たる大きな軸として存在しているのが良い。モリアーティはウェイトが上がった事で説得力が増しており、ガルシアはヒール調の試合運びを見せる事で、没個性な面を解決。ガルシアは、デイビー・リチャーズやマーク・ハスキンスの様な鋭さを持ったシューターとして見事な働きを見せていた。
フィニッシュは、チープ・フィニッシュではあるものの、ガルシアのヒール王者として箔を付ける手法としては悪くない。それまでの完成度が余りにも高過ぎるので、文句の付けようはない。前回の試合が可能性に満ちた内容だったので期待はしていたが、正直度肝を抜かれる内容。
これが新日本やROHの試合として出されても全く違和感はない。今年の米インディを代表するレスリングマッチ。昨年のUSインディ新人王のモリアーティは勿論、このガルシアは押さえておいて損はない。自分がブッカーならば、大会場で間違いなく組む。日本の団体のブッカーならパッケージで来日させるだろう。極上の名勝負。
評価:****1/2