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Pro Wrestling Trainwreck Wrestling's Middle Child Review: AKIRA vs Mance Warner ~Pencil Neck Geeks!~

Pro Wrestling Trainwreck Wrestling's Middle Child 3/12/2021

 

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エニシング・ゴーズ
“デス・サムライ”AKIRA対”サザン・サイコ”マンス・ワーナー
 GCWに良く出るマンスと、ICWが主戦場のAKIRA。ハードコアとデスマッチの中間が最も得意なフィールドのマンスと、デスマッチで活躍するAKIRA。今回の試合形式的にはハードコアなので、両者実力も実績も十分で、注目はしていても、期待度は高くなかった。しかし、この試合は、2021年はもちろん、近年でも屈指のハード・ヒッティングマッチとして名を残す事となった。

 まず序盤からチョップ合戦。激しい打ち合いで見せ場にはなったが、この勢いは続かないとも思っていた。しかしここから更にヒートアップ。AKIRAは、チョップに留まらず、正拳突きの連打から鋭い蹴りで、体格に勝るマンスを倒していくと、劣勢となったマンスは、通常の何倍も鋭いパンチで応戦。それだけではなく,

置いてあった鉛筆をAKIRAに突き立てる攻めを見せ、これぞサザン・サイコたる所以を示す。

 この狂った空間を、攻防的にはある程度落ち着かせながらも、勢いは一定レベルで保ち、そこから打撃戦や凶器使用でまた勢いを復活させる。その繰り返しによって、30分近いロングマッチを、質を落とさずに作る事が出来た。

 これだけでは好勝負ギリギリ行くか行かないかのレベルだったが、最後の数分間は、今年屈指の名シーンの連続。マンスの必殺ニー・ストライクを耐えたAKIRAに、マンスが放った強烈な椅子攻撃をノーガードで受けるAKIRA。イアン&アクセル・ロッテン(バッド・ブリード)ばりの超強烈な椅子攻撃を受けて、瀕死の状態に陥っても気合で立ち上がるAKIRA。そこにマンスは、必殺のニー・ストライクをもう一度決めても返すAKIRA。そこに更に容赦なく立てた椅子へ叩き付けたマンスの無慈悲さ。それでも起き上がろうとするも力尽きたAKIRA。最高の暴虐が生み出した芸術的フィニッシュ。

 AKIRAの切れ味鋭い打撃と恐れなしのトンパチ具合が、マンス・ワーナー史上最高の恐ろしいファイトを生み出し、眠りかけていたサザン・サイコの狂乱ぶりが復活。
 AWRのミッキー戦も物凄かったけれども、それすら超える現時点のAKIRAのキャリアベスト。今のAKIRAならこれを超える名作を残してくれるだろう。インディ史に残るハード・ヒッティングマッチの一つ。この試合を見ずして、この試合のクライマックスを見ずして、2021年は語れない。文句無しに好勝負。
評価:****1/4

 

Our Greatest Hits Deathmatch, House of Horrors, Fans Bring the Weapons, Razor Boards
ジョン・ウェイン・マードック対JCロッテン
 元IWA-MSのエース、マードックとイアンの息子であり、PWTのオーナーであるJCが、 IWA-MS名物蛍光灯吊り下げハウス・オブ・ホラーズマッチで激突。試合は、蛍光灯束と各種持ち込み凶器を矢継ぎ早に打ち込む展開。テンポ良く蛍光灯がド派手に弾け飛ぶので見応え有り。IWA-MSテイスト溢れるまったり感はありながらも、マードックが締める所は締めてそのままフィニッシュ。

 JCのタフさは見えたものの、マードックが強さを誇示してワンサイド気味に試合を決めた形となった。ニアフォール合戦等で相手に譲らないのは、それはそれで自身の価値を落とさないやり方なので良い。セミが余りにも凄過ぎて、見劣りはしてしまうものの、メイン自体も蛍光灯と各種凶器の消費量は中々凄く、見応えはある。

中々良い試合。
評価:***1/2

 

全体評価:7.5+