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GCW Josh Barnett's Bloodsport 6 Review ~1年半越しの激突! ジョン・モクスリー対ジョシュ・バーネット~

GCW Josh Barnett's Bloodsport 6 4/8/2021

 

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▷ GCW: Josh Barnett's Bloodsport 6 - Official PPV Replay - FITE


{ノーロープ、試合決着手段は、ギブアップ、KO、レフェリー・ストップ、反則}

シュラック対スーパービースト
劣勢になるやいなや、血塗れの状態で靴に噛みつき反則負けになるシュラック。シュラックだからこそ許される最高の仕事でした。

評価:**

 

マーシャ・スラモヴィッチ対アリシン・ケイ
 ロシア出身日本育ちだからこそブッキングされたマーシャ。良い選手で確かにレスリングは出来るけれども、シュートスタイルへの対応はまだまだ。MMAで試合にも出たことがあり、レスラーとしても数倍以上のキャリアを持つケイが、終始リードし続けて完勝。通常のプロレスならまだしも、シュートスタイルでは、体格も相まって、より差が出てしまった。平均より上。

評価:***

 

リオ・ラッシュ対Yoya
シングレット着用のリオ。シュートスタイルとはいえ、軽量級なので目まぐるしい攻防が続く。グラウンドも打撃も小気味良く、動きも多いので、これまでの大会とは異なる面白さを見出せている。リオのアクロバティックな攻撃が火を噴く終盤では、リオが優勢に進めていく。シュートスタイルの心得がある同じ様な体格で無名。まさにリオがやりたいことをやる為の相手で、実際その通りに運ぶ事が出来た。リオとしてはかなり満足だろうし、実際面白かったのでこの試みは成功だった。平均的良試合。
評価:***1/4

 

ジョン・モクスリー対ジョシュ・バーネット
 1回目はモクスリーの負傷(感染症)、2回目はコロナの影響。1年半越し、3度目の正直で実現したこのカード。

 じっくりとした攻防とこの2人の画力で魅せていくと思いきや、展開は早くシームレス。グラウンドから打撃まで攻守の切り替えが早いまま、終盤まで持っていったのは予想外。MMAの実力としてはジョシュの方が圧倒的に格上。プロレスラーの実力としては、モクスリーの方が圧倒的に格上。しかしMMA、UWFスタイルのプロレスに理解が深い物同士、変に拮抗していないのが功を奏した印象。

 体格を活かしたジョシュの猛打は迫力十分だったが、それを活かす試合構築や表情の見せ方はモクスリーがリード。チェンジオブペースのタイミングが、なんとジョシュの大流血と客席に逃れたジョシュへモクスリーがリングから飛び掛かるという印象的なシーン2つだったのも良かった。その後モクスリーも流血したが、こういう大一番での鮮血の力はやはり強く、この様なシュートスタイルの決闘ではより一層効果をもたらす。
 元UFC王者のジョシュが相手とはいえ、AEWスターのモクスリーが敗れるという波乱の結末だったのも衝撃を生んだ。

 とはいえ結果なんて些細なこと。2人の漢が、血まみれになりながら、身体一つで削り合い、その死力を尽くした決闘の末に健闘を称え合う。元UFC王者対元WWE &AEW王者、MMAとプロレス、メジャー団体の頂点を極めたスーパースターが、別にやる必要は全くない、インディ団体の屋外の会場で、手加減も手抜きもなしで、全力で潰し合う。他に何を望む必要がある? この2人に最大級のリスペクトを送りたい。本当に実現した甲斐があったスーパーファイトでした。好勝負。
評価:****

全体評価:8