ICW No Holds Barred Pitfighter X6 2/27/2021
ICW No Holds Barred - IndependentWrestling.TV
ルーベン・スティール対サトゥ・ジン
“Heavy Metal King”ルーベンが ICWに登場。ヘビーメタルらしくヘビーでメタルなガセットプレートをこれでもかと活用し、特にジンの胸が真っ赤になる程の流血具合で苛烈さを煽る。近頃は軽く扱われ気味なガセットプレートの殺傷力をとことん引き立てており、加えてガセットプレートボードやバットといった凶器も、ガセットプレートという使い方が難しい凶器を使いやすくしていたのも好ポイント。
更に柄付きウォーターサーバーボトルでフルスイングと、ホームランダービー・デスマッチさながらの過激度。シンプルな内容であるが、体の張り方や凶器の使い方が素晴らしかったこの試合。ニアフォールの攻防も冴えていて白熱。
特にスティールは、レギュラー参戦させたくなる程、観客のハートを鷲掴みすることに成功。あの風貌にこの小気味良い攻め、そして犠牲を厭わない戦いぶりならこれは使いたくなる。スティールのキャリアの代表試合になる試合。中々良い試合。
評価:***1/2
ブルース・サンティー対ジャスティン・カイル
カイルは、「Sandstorm」で登場。”セッション・モス”マルティナではなく、当然ヴァンダレイ・シウバを意識してだろう。
GCW 「Bloodsport」がUWF、WXW「Ambition」がバトラーツなら、この試合はBKFCをオマージュしている。要は素手で殴り合うベアナックル・ファイト。
ケージで刺青が入ったスキンヘッドの大男が、リミッターなしの殴り合いをして盛り上がらないはずはない。しかも、ただ見境もなく暴れるのではなく、両者ともプロレスであると言う最低限の意識はしっかり持っていて、カイルは、左右のローキックを鋭く放ち、打撃のキレも上々。サンティーは、パウンドの打ち方はイマイチでも、豪快な打撃と持ち上げてのテイクダウンというテクニックを見せる。ダウンを奪う程豪快に削りあった後、唐突にフィニッシュするなど、2分半の試合にMMA的要素、ストリートファイトの要素、ハードヒッティングプロレスの要素を全て注ぎ込んでいた。
昨今のシュートスタイルの試合は結構長いものが多いが、この内容ならば、2分半は絶妙な長さ。この2人のルックスやスタイル、テンションの高さ、ケージである点など、全てが最高に噛み合った激闘。この試合を見る為だけにこの大会を見る価値があり、このためにPitfighterのコンセプトを作り、行い続けた価値があった。グラップリングを使わないヘビー級のシュートスタイルプロレスにおける最高傑作。好勝負。
評価:****
ブランドン・カーク(w/ケイシー・カーク)対AKIRA
I'm sorry, I DIED LAUGHING SO HARD at this and then I was like JESUS @CatalKasey....bubble!!!!! Lmaooo DAMN IT @theakiraway why ya gotta hurt my girl!!!! Lmaoooooo pic.twitter.com/FjWQjqxSJD
— 👑Queen of the Indies 📝Tiffany👑 (@Luvs2Dream82) 2021年3月1日
この試合を一言で表すならAKIRA劇場。
恒例となったリングアナのラリー・レジェンドへのブランドン妻ケイシーの難癖に対し、ゴミ箱蓋シンバルアタックで撃退という名シーンに始まり、試合開始早々の打撃滅多打ちに、ライガーもビックリの浴びせ蹴り、立てた椅子へのエグい投げと凶器有無に関わらず、ブランドンをボコボコにしまくる。
先輩にボコボコにされながら、脅威の粘りで這い上がるのがアキラの魅力だったが、ここまで攻撃的に圧倒する展開は予想外。そしてそれがここまで上手く嵌るとは思わなかった。ブレイクするきっかけとなったVolume.2のリード・ベントリー戦と匹敵する位のベストワークであった。
しかし忘れてならないのがブランドンの受けっぷりの凄さ。毎回出てはボコボコにされる「電流爆破デスマッチを戦った女子選手」妻ケイシー・カーク共々、とことん受けてボロ雑巾になりながら、金髪を鮮血で真っ赤に染め上げ、最後はダーティーに勝利を掠め取る。風貌もそうだが、ECWやROH時代のスティーブ・コリーノを見ている様な活躍であった。
攻守の噛み合い方が非常に良く、SNSでバズる印象的なシーンも多数と見所満点の内容。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
ジョン・ウェイン・マードック対ニール・ダイヤモンド・カッター
2020年のデスマッチレスラー・オブ・ジ・イヤーを挙げるなら真っ先に名前が挙がるであろう2人の対決。蛍光灯なしでもステープラーやカミソリにナイフ等鋭利な凶器で試合とエグさを作りながら、マードックの攻めの比率を多くして、ニールのタフさを演出。
そしてニールの小気味良い反撃を経て、エースマードックがエースたる強さを示して幕と、ダブルヘッダーの夜興行が控えている中、余り負荷をかけられない中においても、確実に興行のメインを締めてくれる安定感。今のこの2人ならまず間違いないだろうという事を示した内容。中々良い試合。
評価:***1/2
全体評価:9.5