世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

ICW No Holds Barred Vol.10 Review Mercer vs NDC/Ocean vs SHLAK

ICW No Holds Barred Volume.10 2/27/2021

 

アレックス・オーシャン(w/ライリー・マディソン)対シュラック
 昨年のエリック・ライアン戦で瞬く間にデスマッチスターに上り詰めたオーシャンだが、「FU エディゲレロ」も含め、ヒールターンを行ってカサノヴァ・ヴァレンタインから女子マネのマディソンを奪っても、精彩を欠きブーイングを浴びる日が続く。

 この試合でもヒールの立ち位置なので、歓声を浴びる様な媚び方はしないけれども、序盤の蛍光灯トペを皮切りに、凶悪獣シュラックに文字通りボコボコにされる事を志願。芸がないなら身体を張る。そしてそれが芸になる。

 シーンで地位を確立したRSPがわざとしょっぱい試合を連発するのと、崖っぷちでスポットがなくなるかもしれないオーシャンとでは立場が違う。ライアン戦程の鋭さはまだ戻ってないまでも、シュラックが作った道筋を崩す様な選択はしておらず、身体の張り方も中々。煩いだけで全く受けなかったマディソンが、遂にパワーボムを喰らい、仕上げは、オーシャンが高台から火炎蛍光灯テーブルに突き落とされて豪快に玉砕。

 シュラックの腕もあるけれども、球が当たった時のオーシャンのホームラン率はやはり高い。試合後の観客の反応が全て。媚びすぎるのは良くないが、今の時代SNSでもダイレクトに反応が来る時代、デスマッチファイターとしての気概を見せる事は、必要だろう。後がない者の決死の覚悟を見た試合。中々良い試合。
評価:***1/2

 

ニール・ダイヤモンド・カッター対シェイン・マーサー
 ECWのビガロ対スパイクをオマージュし、更に進化させたAEWのダービー・アリン対ブライアン・ケイジに対し、インディ界からもビガロ対スパイクの構図をオマージュし、更にデスマッチバージョンに仕上げた名作が誕生。小柄なニールを怪力マーサーがちぎっては投げまくる展開。客席には投げられなくても、ガラスボード葬連発に片手でリフトアップしての蛍光灯束攻撃を見舞い、最高の掴みを見せる。

 

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 高い身体能力やインパクト満点の技を持つ一方、試合運びには難があるマーサーに、やられ役として一番映える上に、スパイク・ダッドリーよりもレスラーとしてのスキルが格段に上である好調ニールが、受けは勿論、攻めでも試合を作れるので、停滞させない。なので数分の短時間マッチにしなくても勝負出来る。それはニールへの信頼の表れである。

 終盤も無茶苦茶なスポットを見せ、フィニッシュもインパクト満点。カードから想像出来るこの2人にしか出来ない内容を、正確に表現し切った見事な一戦。このカードは名物化すべきカード。確実にパッケージで世界に売れる。
今大会のMOTN。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

リード・ベントリー対アティカス・クーガー

 この前2試合がぶっ飛んだアッパー系のデスマッチな上、この後にメインも控えているので、クーガーの奇襲からスタートし、セオリーからはあえて少し外したダウナー系のデスマッチ。

 緑竹串に、全然割れない「ジャパニーズ」ガラスボードに蛍光灯ピラミッド等物量は流石だが、テンションは抑え気味。丸め込みフィニッシュでもあるので、突き抜けた内容にならなかったが、ベテランベントレーの安定感とクーガーのセンスが光る良試合でした。中々良い試合。
評価:***1/2

 

全体評価:8