世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

AEW Review ダービー・アリン対ブライアン・ケイジ/PAC対エディ・キングストン

AEW Dynamite #68

New Year's Smash Night2 1/13/2021

PAC(w/ルチャ・ブロズ)対エディ・キングストン(w/ザ・ブッチャー・アンド・ザ・ブレイド&バニー)
場外戦も交えたラフファイト中心の展開。一応フェイスターンとなったPACではあるが、バスタードというニックネームの如く、ファイトスタイルは変わらず。相手がキングストンという事もあり、打撃中心の組み立てにしていたのも興味深い。荒くれ者のダークヒーロー的ポジションを突き進むのかは興味深い。適正時間でこの2人のスタイルを守ったファイト。フィニッシュも唐突ではあるが、繋ぎの抗争ではあるので、これ位が良い塩梅か。キングストンは一定の調子をキープし、PACも興味深い試合運びをしていて、想像以上に見応えがあった内容。中々良い試合。
評価:***1/2

 

NWA世界女子王座戦
セリーナ・ディーブ(c)対タイ・コンティ(w/アナ・ジェイ)

柔道黒帯&BJJ青帯のコンティをオーソドックスなグラウンドで説得力十分にねじ伏せるセリーナのプロレス教室。只上手さをひけらかすのではなく、丁寧かつ力強いので、とにかく見応えがある。そしてWWEに在籍していたとはいえ、レスラーとしてはまだまだキャリアが浅いコンティにも見せ場を与え、引き上げる。そこらはコーチ業も務めていた選手ならでは。34歳とは思えない老獪さと共にまだまだ第一線で活躍出来るだけの実力を共存させるセリーナ。彼女の獲得はAEWにとってかなり大きい。又、コンティもWWEでは全くといっていい程活躍の場が与えられてなかった中で、AEWでは試合数も積めていて今後に期待。平均より上。
評価:***

 

AEW TNT王座戦
ダービー・アリン(c)対ブライアン・ケイジ(w/リッキー・スタークス&フック)

アリンの先制攻撃となるトペ・スイシーダを受け止め、ブレーンバスターで切り返す。更にECWのバンバンビガロによるスパイク・ダッドリーへの客席ポイ捨て攻撃を彷彿とさせる、リングサイドに置かれたテーブルへのプレススラムで、テーブル破壊に加えアリンが流血。

 

ダウンしたアリンをブレーンバスターで担いだままリングに上げる。これでもかとドミネイトする展開だが、ここまで徹底的にやるのは素晴らしい。アリンの被虐、やられた時の色気があるからこれが出来る。ケイジに関しては、スペック的にはそれは出来る選手だが、器用過ぎてモンスターになり切れない所があるのが短所だが、ハードコア要素+アリンの優れたダメージ表現の恩恵を受け、モンスターとして君臨していた。
反撃シーンも無駄な所はなく、アリンの文字通り捨て身の反撃と粘り、ケイジの並外れたパワー、そして最後のピースを埋めたスティングの登場と、試合内容も素晴らしく、TVプロレスとしても画になる好勝負。アリンとケイジは持ち味をフルに活かした見事な仕事ぶりだが、スティングは勿論、セコンドのリッキー・スタークスの立ち振る舞いも試合通して見事であった。試合内容としては、異なるものの、WWE「Backlash 2002」のブロック・レスナー対ジェフ・ハーディを思い起こす破壊的な内容は興味深い。演者全てが最高の働きを見せた好勝負となった。

評価:****

 

全体評価:7.5+