世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

全日本プロレスレビュー 諏訪魔対青柳優馬/葛西純対ヨシタツ

全日本プロレス New Year Wars 2021

後楽園ホール大会 1/3/2021

 

GAORA TVチャンピオンシップ-TLCマッチ
ヨシタツ(c)対葛西純


新日本対大日本、ECW対CZW、全日本対フリーダムズのドリームマッチ。いやECWはWWEが生んだ偽物で、しかもWWECWの末期で、エクストリームのエの字もなくなっていた時か。大仁田オマージュの革ジャンもダービー・アリン的メイクも焼け石に水。ヨシタツは直線的な試合でこそ映えるので、器用さも求められ、尚且つ葛西なんてデスマッチ界のリビングレジェンドと相手するのは無理があり過ぎる。「偽物のECWでハードコア語るんじゃねーよ」とオリジナルECW・TAJIRIからの無言のメッセージとも取れる試練。試合はデスマッチ的TLC。要はハードコアマッチの延長線でベルトを獲るという形。葛西がテーブル葬やラダーからのダイブで魅せるも、こんなのは朝飯前。葛西のワンサイドゲームとしか言いようがない内容。
評価:**3/4

 

三冠ヘビー級選手権試合
諏訪魔(c)対青柳優馬
序盤様子見要素が強い展開になり、浮つきそうだった所を諏訪魔が延髄へのジャンピングハイからDDTを放ち、そのままスリーパーへ移行。首攻めへと繋ぎ、ナーバスになっていた様に見える青柳を引っ張っていく姿を見せる。威力はまだまだ健在でも、キャリアを重ね、ずっと暴走し続ける事は苦しくなって来た諏訪魔。そこを技術でカバーし、要所はパワーファイトで圧倒。青柳がヘビーとはいえ、ジュニアの要素を強く持った選手なので、パワーファイトがより映える。
対する青柳、中盤までは劣勢だったが、諏訪魔の厳しい攻めを受け切りつつ、華やかな攻撃で活路を見出し、体格差を無効化出来る必殺技エンドゲームに代表される秋山準ムーブに綺麗なジャーマン等で諏訪魔の巨体を投げ切る。攻めの美しさとタフネスで確実に後一歩まで追い込んだ。最後こそ諏訪魔がラリアットとバックドロップ連発でねじ伏せたものの、青柳の存在は確実に示していた。下を引き上げる役は、宮原が殆ど担っていたものの、諏訪魔もキャリアも重ね、それをする覚悟がようやく見えたと言っても良い試合。これまでの諏訪魔の試合とは一味違うテイストの好勝負。諏訪魔そして全日本にとって一つのターニングポイントとなる試合だろう。好勝負。
評価:****

全体評価:7